体幹を鍛えたいとジム通いを検討している人もいるのではないでしょうか。
そもそも、トレーニングで体幹を鍛えることでどんなメリットがあるのか、もっと詳しく知りたいと考えている人もいると思います。体幹はただ、トレーニングをしただけで鍛えられるものではありません。体幹を鍛えたい人向けに、運動初心者から上級者向けのポイントについて、説明していきたいと思います。
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そもそも「体幹」とは?
そもそも、体幹とは体の軸となる部分のことをいいます。首から上や、腕・脚を除いた部分の広範囲のことを体幹といいます。体幹は、大小さまざまな筋肉が含まれており、体の深い部分をコントロールするためにも、欠かせないものです。体幹のポイントとなるのは、インナーマッスルとアウターマッスルです。インナーマッスルは、体の深層部に位置している筋肉になり、姿勢を維持する、関節の動きをサポートする役割を持っています。具体的には、横隔膜や腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群などがあります。アウターマッスルは、体の表層部に位置している筋肉になり、大きな筋肉のことをいいます。動きの大きな全力疾走や、重いものを持ち上げるときに使います。具体的には、腹斜筋や腹直筋、脊柱起立筋などが対象となります。
体幹は表面からは見えにくいものの、内臓を支え安定した姿勢や関節の維持にも効果を発揮します。体を維持する上で、重要な役割を担っています。
トレーニングで体幹を鍛える3つのメリット
体幹トレーニングを行うことで、たくさんのメリットがあると言われています。
体幹トレーニングには具体的にどのような効果があるのか、それぞれ詳しく解説していきたいと思います。
正しい姿勢を維持しやすくなる
体幹を鍛えることで、正しい姿勢を保ちやすくなり安定して運動できるようになります。正しい姿勢を維持することで、椎間板への負荷を減らし椎間板ヘルニアのリスクを軽減することにも繋がります。体幹が弱いと正しい姿勢を維持できなくなります。特に長時間座って作業をしている人や、デスクワークの場合、体幹の弱さが姿勢の悪化になります。痛みや姿勢不良を起こす可能性があるので、姿勢を維持できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
ケガのリスクを軽減できる
体幹トレーニングを行い筋肉がつくと、怪我の予防に繋がります。日常生活のなかで、筋肉がつくと疲れにくくなり、腰痛予防や、転倒予防に繋げることができます。体幹が安定しないと、運動したときにふらついてしまったり、関節や筋肉に余計な負荷をかけてしまいます。怪我のリスクを軽減できる点も、体幹トレーニングのメリットと言えるでしょう。
スポーツパフォーマンスが向上する
体幹を鍛えることで、力を発揮しやすくなるメリットが期待できます。特にスポーツなどの競技ではわかりやすい部分ではあるのですが、強い体幹は体の軸がぶれにくくなり、筋肉の力を最大限発揮しやすくなります。軸が安定すれば筋肉をスムーズに動かしやすくなり、頭で思い描いたときとのギャップを埋めることにもなります。日々の運動のなかでも、自分の力を十分に発揮しやすくなります。
体感トレーニングをしないデメリット
体幹トレーニングをしないデメリットとして、姿勢が悪くケガのリスクも高めてしまうことがあげられます。プロのスポーツ選手でなくても、日々の運動でケガをするリスクもありますし、姿勢を維持できなくなることで、腰痛などの不調を起こしてしまうこともあります。
初心者向け】おすすめの体幹トレーニング4選
運動が苦手で体幹があまりない人や、体幹トレーニングをしたことがない人もいると思います。無理な運動を続けるよりも、まずは継続することが大切です。そのためにも、初心者向けメニューを中心に行うことをおすすめします。おすすめの体幹トレーニング4選を紹介したいと思います。
プランク
プランクとは、腹筋を中心に背筋も鍛える方法です。ひと言にプランクといっても種類があり、初心者に向いているのは、ロープランクと呼ばれる方法です。3セットほど行い適度な頻度で行うようにしましょう。
【プランクのやり方】
- 床にうつ伏せとなり、肩の真下に肘が来るようにして90度に曲げます
- 腹筋や太ももに力を入れ、身体を床から浮かせます
- 頭から足まで一直線になった状態を維持します
プランクはお尻を高く上げたり、腰をそらせてしまわないように姿勢を維持することを意識しましょう。途中で呼吸を止めてしまうと動かしにくいので、長く息を吐くのを意識するようにしてください。
ドローイン
ドローインとは、腹式呼吸をするためのインナーマッスルや腹横筋を鍛える方法です。筋肉に適度な負荷をかけてお腹を引き締めます。ちなみに、お腹をへこませる、膨らませたりする動きのことをいいます。
【ドローインのやり方】
- 仰向けになり膝を90度に曲げて大きく息を吸います
- お腹をふくらませてゆっくり息を吐きます
- 5秒間キープしてを繰り返します
ドローインは、腹筋を意識しながら呼吸し体に余計な力をいれないのがポイントです。基本的なやり方に慣れてきたら、立ったまま行うドローインもあります。日常生活のなかでちょっとしたすき間時間を使って続けられるのもドローインの嬉しい点です。
ヒップリフト
ヒップリフトとは、お尻や太ももを鍛えるトレーニング方法です。比較的、初心者でも挑戦しやすいトレーニング方法としても知られています。上手く姿勢を保てるかどうかによっても変わってきます。
【ヒップリフトのやり方】
- まずは床に仰向けの状態になります
- 腰の幅に足を広げて、床に足裏をつけます
- 膝から胸まで一直線にして、姿勢を保つようにします
ヒップリフトをするときは、膝から胸までが一直線を描いたようにするのもポイントです。力が入りすぎているとうまくできなくなってしまいます。できるだけ自然な呼吸を続けるようにすることを意識しつつ、ヒップリフトを行うようにしてください。
腕立て伏せ
腕立て伏せとは、上半身全体の体幹を鍛える目的があります。大胸筋を鍛えたいときにも腕立て伏せは挑戦しやすく、トレーニングにどの程度慣れているのかによっても、やり方を調整できます。
【腕立て伏せのやり方】
- 肩幅よりも少し広く両手を床につき伸ばします
- 肘を曲げながら、胸が床に着く程度におろしていきます
- 床を手で押して元の状態に戻ります
腕立て伏せは、勢いでやるのではなくゆっくりと筋肉を動かすイメージで行うのがポイントです。トレーニングに慣れていない人の場合は、膝を床についた状態で行うようにしてください。
【上級者向け】おすすめの体幹トレーニング5選
初心者向けの体幹トレーニングを続けて、ある程度回数をこなせるようになってきたらレベルをあげるようにしていきましょう。トレーニングは初心者向けのものだけではなく、上級者向けの体幹トレーニングもあります。少しずつトレーニングのレベルをあげていくのをおすすめします。上級者向けの体幹トレーニングのやり方を、紹介していきたいと思います。
ワンレッグプランク
ワンレッグプランクは、片足プランクと呼ばれているものです。基本となるプランクに慣れてきたら、少しレベルをあげて、ワンレッグプランクにも挑戦するようにしてください。お腹や下半身の筋肉を鍛える方法になるので、力が加わっているのを意識するようにしてみましょう。
【ワンレッグプランクのやり方】
- 通常のプランクと同じような姿勢になりうつ伏せとなります
- 左右の足をお尻の高さに浮かせて姿勢を保つようにします
- 浮かせる足を左右に入れ替えるようにします
30秒程度を左右交互に行いながら、トレーニングを続けていきます。背中をラインが直線に保てるようにするのはもちろん、軸をねじらないように意識するようにしていきましょう。
ローリングプランク
ローリングプランクは、プランクのなかでも比較的ハードなトレーニングとして知られています。ある程度運動経験がある人や、少ない回数で効果を出したい人にもおすすめです。
【ローリングプランクのやり方】
- まずは、腕立て伏せの姿勢になり片手を離し体を横に回転させます
- 離した手を床に戻しながら、回転し腕立て伏せの姿勢になります
- 反対にも回転して、もとの姿勢に戻ります
プランクのなかでもハードな運動になるため、最初から無理に挑戦しないようにしてください。身体のフォームを崩さないこともローリングプランクのポイントになるので意識してみてください。
ヒップリフトブリッジ
ヒップリフトブリッジは、背筋・腹筋以外にも太ももなどの全体を鍛えられるトレーニング方法です。広背筋や腹直筋などの部位を鍛えられる方法になります。
【ヒップリフトブリッジのやり方】
- まずはうつ伏せ状態で横になり、上半身を起こして腕を肩幅に広げます
- 下半身を持ち上げてつま先を立てるようにします
- お尻を限界まで上げます
フォームが重要になるのでお腹に力をいれたうえで、背中が丸まらないようにします。また、踏ん張ったときの足が浮かないようにすることや、お尻を限界まで上げるなどの姿勢を意識するようにしましょう。
バーベルスクワット
バーベルスクワットは、バーベルを背負い行う上級者向けのトレーニング方法です。
大臀筋や、ハムストリングスなどの筋肉を鍛える方法になり、正しいフォームが重要です。
【バーベルスクワットのやり方】
- 肩幅よりもやや広めのスタンスで立ち、バーベルを肩に担ぎます
- 視線を前に向け、お腹に力を入れ股関節や膝かんせつを連動させ曲げます
- 太ももが床と並行になった状態を維持し、開始した姿勢まで立ち上がります
バーベルスクワットは、バーベルを使うため背中が丸まることのないように意識してください。背中を沿ったままやってしまうとケガのリスクを高めるため、おすすめしません。
デッドリフト
デッドリフトも器具が必要になる、上級者向けのトレーニング方法です。大臀筋やハムストリングス、脊柱起立筋などを鍛える方法になり、腰の筋肉を鍛えることに繋がります。
【デッドリフトのやり方】
- 肩幅くらいに足を開き、背中を直線、姿勢をまっすぐにします
- バーベルを持ち上げ膝が伸びきったタイミングで、筋肉を収縮させます
- お腹の力をそのままにできるように意識して、元の位置に戻します
腰に負荷がかかりやすいので、体幹を固定しお腹に力をいれて鍛えるようにしましょう。
体幹トレーニングを行うときのポイント
体幹トレーニングを行うときに、覚えておいてほしいポイントを紹介します。
トレーニング前後にストレッチを行う
体幹トレーニングを行う前後には、ストレッチを行うようにしましょう。ストレッチは、筋肉や関節を伸ばす運動になり、ウォーミングアップやクーリングダウンにも繋がります。ケガの予防や運動パフォーマンスの向上にも効果的です。焦らず、ゆっくりと筋肉を伸ばす方法や、関節を動かして筋肉を伸縮させるストレッチもあります。初心者にこそ、トレーニング前後のストレッチは大切です。
インナーマッスルから鍛える
姿勢や安定した動作には、インナーマッスルとアウターマッスルの両方が必要になります。まずはインナーマッスルから鍛えるように、順番を意識するようにしましょう。アウターマッスルを先に鍛えてしまうと、収縮してしまいます。まずは、インナーマッスルを鍛えられるドローインから始めていき、呼吸法を意識しながらトレーニングの範囲を広げていくようにしましょう。
正しいフォームを心がける
体幹トレーニングは、フォームを意識して正しい姿勢で行う必要があります。フォームが乱れてしまうと、筋肉に対して適切にアプローチできなくなってしまいます。回数を多くすれば効果が出るのではなく、正しいフォームで行うことが効果的なトレーニングに繋がります。フォームの乱れを感じたときは、正しいフォームが維持できる回数で行い、頻度を増やしていきましょう。
末端部の向き・角度を意識する
体幹トレーニングを行うときは、末端部にまで意識を向ける必要があります。例えば、頭を深く下げてしまっていると、背中が丸くなってしまいお尻が上がってしまいます。正面を向いたままの姿勢でトレーニングをしても、お腹に刺激が伝わりにくくなってしまいます。体幹を鍛えるときは、常に床を見るようにして動かさないようにするなど末端部にまで意識を向けてみてください。
まとめ
体幹を鍛えるトレーニングは、姿勢を正してケガの防止にも繋がります。ただし、とにかく回数をこなせばいいわけではなく、正しいフォームで行うことが大切です。ストレッチを行い体をほぐすのはもちろん、インナーマッスルから鍛えるようにしましょう。また、初心者の場合自宅のトレーニングには限界があります。ジムでマシンを使ったトレーニングは初心者はもちろん、上級者にもおすすめです。パーソナルトレーニングはトレーナーから直接指導を受けられるからこそ、効率的に体幹を鍛えることにも繋がります。