負荷が少なく運動が苦手な人でも取り組みやすいのが、自重トレーニングです。なかには、自重トレーニングが気になっているものの、どんなトレーニングなのかわからない人もいると思います。筋肉を付けたいと思いつつも忙しく時間がとれない人でも、専用のマシンがなくても自宅で気軽に始められます。自重トレーニングのメリットも含め、効果を高めるためのポイントについても説明します。初心者でもできる自重トレーニングについても説明しますので、参考にするようにしてください。
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自重トレーニングとは?
自重トレーニングとは、自分の体重を負荷にして行うトレーニングのことです。マシンやダンベルを使わないので、ジムに通う時間がとれない人でも、気軽に挑戦しやすいのも大きな特徴です。筋トレ初心者や、辛いトレーニングはやりたくない人にとっても挑戦しやすいと思います。
自重トレーニングの効果として筋力を高めて、基礎代謝を向上させ、ダイエット効果も期待できるといわれています。基礎代謝は年齢に伴い低下していきますし、有酸素運動と一緒に筋肉をつけていくことも大切です。自重トレーニングで筋肉をつけることで、脂肪がつきにくくなり痩せやすい体を手に入れることができます。燃焼効率を高めたいと考えている人にとっても、たくさんのメリットが期待できます。
自重トレーニングのメリット4つ
自重トレーニングにはさまざまなメリットがあるといわれています。
具体的にはどんなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
特別な器具が必要ない
自重トレーニングは、マシンや器具を使いません。そのため、自宅で気軽に始めることができます。なかには「できるだけ出費をかけずに今すぐ筋トレを始めてみたい」と考えている人もいると思います。畳一畳ほどのスペースがあればトレーニングができます。運動習慣がない人や初心者にとっても自重トレーニングは大きなメリットといえるでしょう。
場所を選ばない
自重トレーニングは、自宅はもちろん会社や公園などの場所を選ばない手軽さがあります。トレーニングをしたいと思っても、自宅やジムに限定されてしまうと、忙しさで続けられなくなってしまいます。トレーニングしたいと思ったときにその場で行える気軽さは、自重トレーニングの特徴です。ダンベルやマシンのようにそろえなくてはいけないものがなく、コストの負担も少なくなります。
トレーニング中のケガをしにくい
自重トレーニングは、負荷としてかかるのが自分の体重のみです。そのため、マシンを使って行うトレーニングに比べて、筋肉や関節にかかる負荷を減らすことができます。適切なフォームで行うとケガのリスクも少なくなりますし、安全にトレーニングが出来る良さがあります。自重トレーニングで基礎的な筋力をつけてから、マシントレーニングに移行する人もいます。
負荷をコントロールしやすい
自重トレーニングは、力の加減をコントロールしやすく、負担が大きいと感じたときは気軽に調整できます。最初は少ない回数ではじめて無理なくスタートして、慣れてきたら回数を増やすことも可能です。はじめてのトレーニングに挑戦する人で出来るか心配な人は、まずは自重トレーニングから始めてみると、筋肉を効率的につけることもできます。
初心者でもできる!おすすめの自重トレーニング8選
初心者でも比較的簡単に挑戦できる、おすすめの自重トレーニングを8つ紹介します。
プッシュアップ(大胸筋や三角筋・上腕三頭筋に効果期待)
プッシュアップとは基本的な腕立て伏せのことをいいます。大胸筋を鍛えるためのトレーニング方法でもあり、胸板のボリュームを増やして男性らしい体を作りたい人におすすめのトレーニングです。反り腰にならないように体をまっすぐにするのを忘れないようにしましょう。運動初心者の場合は、プッシュアップが辛いと感じてしまうので、膝をついたまま行い慣らすようにしてください。慣れてきたら、膝をつけずにプッシュアップをできるように、レベルを高めていきましょう。
【プッシュアップのやり方】
- 床に膝をつき、床から離し頭からかかとまで一直線になるようにします
- 無理のない範囲で膝を曲げ体を下ろします
- 肩と肘の位置が平行になったのを確認して下ろし、もとの体勢に戻します
インバーテッドロウ(広背筋や上腕二頭筋を鍛えるのに効果期待)
インバーテッドロウとは、懸垂と呼ばれる運動のことをいいます。鉄棒にぶら下がって行うこともありますが、ほとんどの家ではないと思います。そのため、机にぶら下がってトレーニングを行っている人もいます。ある程度、重量に対応している机である必要がありますが、広範囲を鍛えられるのもあり正しいやり方で続けることで、効果的な自重トレーニングに繋げることができます。
【インバーテッドロウのやり方】
- テーブルの下で仰向けになり、両膝を立て膝を90度に曲げて肩の真上でまっすぐ腕を伸ばします
- お尻を床から浮かせた状態になり、両腕を使い体をテーブルに引き寄せるようにします
- 床にお尻と背中がつかないとことで体を下ろすのを3セット行うようにします
プランク(腹直筋や体幹を鍛えるのに効果が期待)
プランクとは、うつぶせになった状態で肘やつま先を使い体を支えて行うトレーニング方法です。腹筋は4つに分かれていますが、お腹の中心に位置しているため、美しいラインを引き出すことにも繋がるトレーニング方法です。正しい姿勢を維持するにも体幹が必要になるため、続けることで腰痛を予防することにも繋がります。腰を落としすぎている、お尻を突き出し過ぎていると逆効果です。まっすぐに伸ばした状態で一直線になれるようにしてみてください。
【プランクのやり方】
- 腕立て伏せの姿勢になり、肩幅に両肘を広げてお尻を持ち上げます
- 頭からかかとに向かって、一直線をイメージしつつ腰が下がりすぎないようにします
- 呼吸を止めずに30秒程度姿勢をキープできるようにしましょう
クランチ(腹直筋を鍛えるのに効果が期待)
クランチとは、腹筋と呼ばれる基本的なトレーニングです。膝を曲げて仰向けになった状態で、上半身が丸くなるのを意識しつつ、上体を起こせるようにしていきます。クランチを続けることで、シックスパックを実現できるようになります。シンプルなトレーニングではありますが、正しいフォームを意識する事や反動をつけずに腹筋に力をかけるようにしてください。腰に負荷がかからないようにして、上半身を完全に起こさずにできるようにしていきましょう。
【クランチのやり方】
- 仰向けになり、肘を90度にして脚を開き、両手を頭の後ろで組むようにします
- 息を吐きながら上半身を起こしていきますが、おへそが見える程度にしておきます
- 上半身を下ろしつつ、息を吸うを10回程度行いましょう
スクワット(大殿筋や大腿四頭筋、ハムストリングスなどに効果が期待)
スクワットとは、下半身の効果的なトレーニング方法として代表的なのがスクワットです。トレーニングに重要な大殿筋などのトレーニングを効果的に行う方法としても知られています。大きな筋肉を効率的に鍛えることができるのもあり、基礎代謝を高めて太りにくい体を手に入れることにも繋がります。痩せやすい体を手に入れたい人にとっても、難しい下半身のトレーニングを行いつつ引き締めるのに効果的です。
腰を落とすときに向きをそろえ、前に膝が出過ぎないようにします。背中が丸まることがないように、前を向き背筋を伸ばしましょう。
【スクワットのやり方】
- 脚を腰幅に開き、つま先を少し外向きにして両手を前で組みます
- 息を吸いながらお尻を突き出し、太ももが平行になるように腰を落とします
- 息を吐きながらゆっくりと元の体勢に戻していきます
ヒップリフト(お尻や大殿筋に効果期待)
ヒップリフトとは、お尻の筋肉をつけたい人向けのトレーニングです。大殿筋は、お尻のなかでも一番大きく強い筋肉になり、腰を伸ばす、歩く走るときに引っ張る動作にも必要です。長時間座っている人の場合、大殿筋が使えていないことも多いからこそ、意識的に鍛えるべき筋肉です。ヒップアップ効果も期待できますし、お腹周りを引き締めたい人にもおすすめです。
ヒップリストは難易度を調整できますが、ゆっくりお尻を下げ元の位置に戻します。慣れるまでは手をつき、体を支える形になっても問題ありません。
【ヒップリフトのやり方】
- 仰向けに寝ころび、膝を90度に立てます
- お尻をもち上げつつ、肩からお腹、膝まで一直線の状態を維持します
- ゆっくりとお尻を下げ元の位置に戻すのを20セット行います
ドローイン(インナーマッスルに効果期待)
ドローインとは、インナーマッスルを鍛える為の体幹トレーニングです。寝転がった状態で行うため、トレーニング初心者でも気軽に挑戦しやすいのが特徴です。最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れると自然にできるようになります。すき間時間を使って、無理なく継続できるかどうかです。初心者でも気軽に取り入れられるからこそ、ドローインに挑戦してみましょう。
【ドローインのやり方】
- まずは仰向けになり膝を90度に立て、大きく息を吸います
- ゆっくりと息を吐きながらお腹をへこませていきます
- 5秒程度キープした状態を何度も繰り返します
カーフレイズ(腿三頭筋に効果期待)
カーフレイズとは、踵上げのトレーニング方法です。日常生活のなかで隙間時間を使って、効率的にトレーニングが出来るのも特徴です。リズミカルに踵を上げるのはもちろんですが、重心が前に移動しすぎないようにすること、負荷量を増やしたいときは交互で行うのを意識してみるといいでしょう。
【カーフレイズのやり方】
- 壁に手を添え、両脚を肩幅に開きゆっくりと踵をあげます
- できるだけ上げたあとに、ゆっくりと下ろしていきます
- 何度もこの動きを繰り返すようにします
自重トレーニングの効果を高めるためのポイント
自重トレーニングの効果を高めるためにできる、ポイントを4つ紹介します。
全身の筋肉をバランス良く鍛える
自重トレーニングは、全身の筋肉をバランスよく鍛えることも重要です。特定部位だけを鍛えようとしてしまうとバランスが悪くなってしまいますし、見た目も不自然になってしまいます。トレーニングメニューは一定ではなく、その日によって変えるなどの調整をしていくようにしましょう。筋肉の休息日をつくることで、トレーニング効率を高めることにも繋がるからこそおすすめです。
正しい姿勢と動作を心がける
自重トレーニングは、正しい動作や姿勢ができないとケガのリスクを高めてしまう危険性があります。誤った方法でトレーニングをしていると、狙っている筋肉に対しての効果は期待できません。姿勢や動作を覚えることからはじめていき、丁寧に確認しながら行うようにしましょう。
慣れたら徐々に回数・セット数を増やす
筋トレの効果を、効率よく生み出すためにもじょじょに回数を増やしてトータルの負荷を大きくしていくことも大切です。ただし、すぐに結果を出したいからと最初から回数を増やしてしまうのはおすすめしません。慣れとともに回数を増やしつつ様子を見るようにしましょう。もともと、運動していたかどうかでも回数やセット数は変わるので、自分にあった頻度で行うようにしてください。
適切な頻度で継続する
自重トレーニングを、毎日行うべきか迷っている人もいると思います。早く筋肉をつけたいと思っても、毎日行うのはおすすめしません。自重トレーニングを行うと筋肉の回復時間が必要になります。毎日トレーニングをしていると休息日がなくなってしまい、オーバートレーニングになってしまいケガの原因になることも。疲労感を溜め込みやすくなるので、毎日行うのはおすすめしません。
「自重トレーニングは効果がない」って本当?
自重トレーニングは「効果がない」と話す人もいます。その理由は、マシンやダンベルを使ったトレーニングと比較すると筋肉への負荷が軽く、効果を実感するまでの時間もかかるからです。
ただ、「自重トレーニングは楽だからこそ効果がない」という考え方自体は間違いです。確かにマシンやダンベルを使ったトレーニングのほうが効率よく鍛えられるかもしれません。
初心者の場合は、自重トレーニングのほうが向いています。マシンやダンベルは中級者~上級者向きになるため、ある程度経験がないとおすすめできません。トレーニングに慣れてからじょじょに移行してもいいですし、どちらも並行しながら続ける方法もあります。
自重トレーニングの効果がないのではなく、目的や使い方次第でも変わってきます。
自重トレーニングは毎日やっても効果はある?
筋肉には超回復と呼ばれる期間があるため、毎日行うのはおすすめしません。トレーニングで傷ついた筋肉を修復する期間になり、以前よりも太い状態にしてくれます。筋肉が修復されるまでは2日程度時間がかかるので、毎日トレーニングをすると筋力がつきにくくなります。疲労感でけがをすることもあるので、自重トレーニングは毎日ではなく週2日程度で行うようにしましょう。
まとめ
自重トレーニングは自分の体重をかけて行うものなので、マシンやダンベルと比較しても簡単にでき、トレーニング初心者向きです。自宅でも気軽に始められるので、場所を選ばず習慣化したい人にも向いています。ただし、自重トレーニングは、自分でモチベーションを維持し、姿勢についても学ぶ必要があります。ある程度慣れてきたらジムに通ってもいいですし、続けられるか不安な人はパーソナルトレーニングの利用も検討するようにしてください。