年齢とともに筋力の低下を実感し、筋力トレーニング(筋トレ)に挑戦したいと考えている人もいるのではないでしょうか。毎日をもっとアクティブに過ごせるようになりますし、日常生活を楽しみたい人にとっても階段の昇り降りや買い物にも困りにくくなります。筋力トレーニングにも初心者向きのものから中級者、上級者とトレーニング内容にも違いがあります。
筋力トレーニングによるメリットも含め、詳しく解説していきたいと思います。

筋力トレーニング(筋トレ)とは?

筋力トレーニングとは、健康維持やダイエット、筋力アップを目指すなら欠かせないトレーニング方法です。ジムに行き本格的なトレーニングに挑戦することもできますが、自宅で気軽に始めることもでき目的に合わせて選択できます。トレーニングの負荷や回数、頻度を調整しつつ筋力を高めていきます。ライフスタイルの向上はもちろん、慢性疾患の予防や改善にも効果が期待できます。筋力トレーニングは若者向けのイメージがあるかもしれませんが、高齢の方にとっても健康を維持するために必要です。

筋トレによる効果・メリット

筋力トレーニングを行う効果やメリットについて、もっと詳しく知りたいと考えているのではないでしょうか。たくさんのメリットがありますが、そのなかでも代表的なものを紹介します。

基礎代謝がアップする

基礎代謝とは、何もしていないときでも消費されているエネルギーのことをいいます。例えば、座っているときや寝ているときにもエネルギーは消費され続けています。基礎代謝は加齢によって筋肉量が減少することで低下していきます。ちなみに、人間は40歳を超えると筋肉が毎年1%ずつ減ると言われており、50歳では10%筋肉量が少なくなっている計算です。今の体型を維持したいと考えている人にとっても、筋トレを続けることで太りにくい体質になると言われています。

生活の質(QOL)が向上する

加齢による代謝の衰えや筋肉量の低下は、生活の質に大きな影響を与えると言われています。筋力トレーニングを行うことで、生活の質(QQL)を向上させることにも繋がります。筋力がつくことで筋萎縮を防ぎ、階段の昇降や重量物の持ち運びなどの動きが楽になります。適度な筋トレを行うことで疲労感を感じられるようになり、睡眠の質を高めてくれる効果も期待できます。普段の生活がイキイキとしますし、外に出るのが楽しくなるなど、生活の質の向上を実感できるようになります。

メンタルの安定につながる

筋力トレーニングを行うと「コルチゾール」というストレスホルモンの分泌量を減らすことができます。筋力トレーニングは、筋肉の収縮がおきストレスの解消も期待できます。トレーニング中は交感神経が活発になりますが、運動したあとは交感神経が落ち着き副交感神経が優位になります。筋力トレーニングにより自律神経を整えてくれるので、ストレスを軽減することにも繋がります。また、筋トレを通して外見上の変化を実感できると自分に自信が持てるようになり物事を前向きに捉えられるようになります。

有酸素運動による運動効果が高まる

筋トレ(無酸素運動)によって代謝が高まることで、その後の有酸素運動ではエネルギーを効率的に消費できるようになります。筋トレのように強度の高い運動を行うと「ホルモン感受性リパーゼ」を活性化させることでも知られています。先に筋トレを行い代謝を高める事で、効果的な有酸素運動に繋がります。トレーニングの順番を意識するだけでも、より高い効果を実感できる可能性が高まります。

【初心者~中級者向け】自宅でできる筋力トレーニングメニュー

筋力トレーニングは、自分の体重を負荷にする「自重トレーニング」と、バーベルやダンベルを用いて行う「ウエイトトレーニング」の2種類があります。他にも、トレーニングマシン機器を用いて行う「マシントレーニング」もあり、場所や目的によっても変わります。スペースが限られてしまう自宅の場合、自重トレーニングやダンベルを用いたウエイトトレーニングが基本となります。

初心者から中級者向けに自宅でできる筋力トレーニングメニューを紹介します。

プッシュアップ

プッシュアップとは腕立て伏せのことです。筋トレメニューとしては頻度の高い方法としても知られており、二の腕や背中、胸部を鍛える目的で行われている方法です。初心者の場合、プッシュアップのときは、膝を床につけた状態で行うと負荷が少なくなるのでおすすめです。

  1. まずは床にうつぶせになり、両手を肩幅より広めに開きます
  2. 両脚はそろえたまま足の付け根で床を捉え、一直線の姿勢をキープします
  3. 腰を反らないようにしつつ息を吐きながら、肘を伸ばし胴体をゆっくり下げます
  4. 息を吐きながら肘を伸ばし胴体をゆっくり上げます

10回~15回程度繰り返すようにしてください。

クランチ

クランチは腹筋のことです。お腹を鍛える最もスタンダードな方法になり、足を押さえるための腹筋台も必要ない為、自宅でも簡単に挑戦できます。

  1. まずは仰向けになり太ももを床に対して垂直にあげます
  2. 膝は軽く曲げて両手が頭に添えた状態で、視線をおへそに向けます
  3. 息を吐きながら体幹を巻き込み、頭を膝に近づけます
  4. 息を吸いながらもとのポジションに戻ります

10回~15回程度繰り返すようにしてください。

スクワット

スクワットは、太ももの前にある大殿四頭筋やハムストリングス、お尻の大殿筋をメインで鍛える筋トレです。骨盤周辺の筋肉を鍛えて姿勢を安定させ、下半身の筋力強化も期待できます。血流やリンパの流れを促し、むくみの改善効果も期待できます。

  1. まずは両脚を肩幅に開きます
  2. 背筋を伸ばしたままでお尻を後ろに突き出し、膝を曲げます
  3. しゃがんだときに膝がつま先よりも前に出ないようにします
  4. ゆっくりとしゃがみ1秒程度静止し、元に戻ります

ジャックナイフ

ジャックナイフは、腹直筋のなかでも特に効果の高いトレーニング方法です。
V字腹筋や呼吸と顎の動作を意識させつつ、腹直筋を最大収縮させることが重要です。
反動をつけてしまうと腰に負荷がかかり傷めてしまうリスクがあるので注意しましょう。

  1. 仰向けになって両手を伸ばします
  2. 息を吐きながら上半身と足を同時に上げます
  3. 両手両足を上げ、息を吐ききります
  4. 腹直筋を完全に収縮させ、元に戻ります
  5. 息を吐ききり、反動をつけずに何度も繰り返します

サイドランジ

サイドランジは、内転筋を鍛えるためのトレーニング方法です。つま先と膝の向きを統一することや、膝を曲げないときの足がしっかりと伸びているのを実感できるくらい踏み出すのもポイントです。

  1. 両足を肩幅ぐらいに開きます
  2. つま先を少し外側に向けて、体の横に足を大きく踏み出し膝を曲げます
  3. 膝が90度に曲がったらゆっくりと元の位置に戻ります
  4. 足を変えて繰り返し行います

10回~15回程度繰り返すようにしてください。

【初心者~中級者向け】ジムでできる筋力トレーニングメニュー

ジムでできる筋力トレーニングメニューを説明します。

チェストプレス

チェストプレスは、マシンを使い胸中心に上半身の全体を鍛えるトレーニング方法です。
たくましい腕を作りたい人など、大胸筋や三角筋、上腕三頭筋などが鍛えられる対象です。
胸をしっかりと張り、肩を前に出さないようにしてください。

  1. マシンの重量や椅子の高さを調整します
  2. マシンに座って胸を張り、バーを握ります
  3. 胸を張ったままバーを前に押します
  4. ゆっくりと元の位置に戻ります チェストプレスは10回前後が限界になるくらいの、重量設定にしてください。

ラットプルダウン

背中の筋肉を鍛えられるトレーニングがラットプルダウンです。トレーニング初心者でも挑戦しやすい方法として知られており、筋力に自信がない人でも重量設定ができるので無理なく始められます。背中だけでなく、上腕二頭筋も一緒に鍛えられます。背筋をしっかり伸ばすことや、ゆっくりとした動作を意識しつつ行うようにしてください。

  1. 肩幅に対して1.5倍の場所で、マシンのバーを握ります
  2. 肩甲骨を落として肩が上がらないようにします
  3. バーを胸に向かい引きつけます
  4. スタートポジションに戻ります

レッグプレス

お尻の筋肉や太ももを中心に、下半身を鍛えるためのトレーニング方法です。全体の筋肉の7割を占めるといわれている下半身の筋肉全体を同時に鍛えられる方法です。基礎代謝を高め体型を維持しやすくなるトレーニング方法としても知られています。膝に負担がかからないように伸ばしきらないことを意識する事や、背筋を伸ばしてマシンから腰を浮かせないようにしてください。

  1. 膝や関節の角度が90度になるようにマシンを調整します
  2. マシンに寝転がり足を肩幅に開きます
  3. 膝をゆっくり伸ばします
  4. ゆっくりポジションに戻します

ヒップリフト

お尻を持ち上げる動作を繰り返すトレーニング方法です。両方の膝を立てて仰向けになった状態で、一直線になるようにお尻を持ち上げるのがポイントです。お尻にある大きな筋肉である大殿筋を鍛え、全体を引き締めることにも繋がります。

  1. 両膝を立てて仰向けになります
  2. 膝の真下にかかとがくるようにして足は腰の幅程度に広げます
  3. つま先とひざは正面に向けます
  4. 両腕は八の字にして息を吐きつつ、膝からお腹が一直線になるように持ち上げます

【年代・世代別】筋力を高めるトレーニング

年代・世代別に筋力を高めるトレーニング方法を説明します。

高齢者におすすめの筋力トレーニング

加齢に伴い筋力が低下するため、継続的に続けていくことが大切です。
負荷が大きすぎるとケガの原因となるため注意してください。

  • ブリッジ
  • スクワット
  • レッグエクステンション

などのトレーニングに、有酸素運動を組み合わせて行うのがおすすめです。

成長期におすすめの筋力トレーニング

成長期に筋トレを行うと、骨密度を高めて姿勢を改善する効果が期待できます。
成長ホルモンの分泌を促すためにも、過度なトレーニングにならないように注意しながら、休息や栄養、睡眠もしっかりととるようにしてください。

  • スクワット
  • バックエクステンション
  • クランチ

などのトレーニングがおすすめです。

女性におすすめの筋力トレーニング

女性が筋トレを行うときは、大きな筋肉をメインに鍛えるのがポイントです。足やお尻周辺の大殿筋から鍛えていき、背中や胸を鍛えるようにしていきます。これらの筋肉をバランスよく鍛えることで、健康的で引き締まった体を手に入れることができます。

  • ブルガリアンスクワット
  • スタティックフォワードランジ
  • サイドランジ

女性は、無理なく継続していくことで筋肉が維持しやすくなります。

筋力トレーニングを行うときのポイント

筋力トレーニングを行うときのポイントを4つ紹介します。

目的に応じた重量・回数を選択する

筋力トレーニングを行うときは、目的に合わせた回数を意識するようにしてください。

健康維持・運動不足解消:低負荷高回数 15~20回×2~3セット
ダイエット:低負荷高回数 15~20回×2~3セット+有酸素運動
筋肥大・筋力アップ:高負荷低回数 10~12回×2~3セット

例えば、ダイエットであれば基礎代謝を高めるために、無酸素運動+有酸素運動をバランスよく行うことで、体型を維持しやすくなります。基礎代謝を高められないとリバウンドのリスクも出て来てしまいます。目的に合わせて、最適な重量や回数を意識するようにしてください。

正しいフォームで行う

筋力トレーニングのフォームは、効果にも影響してきます。正しいフォームを意識せずに筋トレを続けてしまう人も少なくありません。間違えたフォームを続けてしまうと、筋肉への刺激が不足してしまうだけでなく、体を痛めてケガの原因となってしまうことがあります。正しいフォームを意識することは、筋力トレーニングの基本です。痛みや違和感が出てきた人や、効果を実感しにくいと感じている人は、一度フォームを見直すようにしてみてください。

トレーニング前後はストレッチを行う

トレーニング前にはウォーミングアップとして動的ストレッチを (ケガをするおそれがあるため)
トレーニング後はクールダウンとして静的ストレッチを (鍛えた部位を中心に)

筋力トレーニング前のウォーミングアップとして動的ストレッチを丁寧に行います。ケガの防止や血流促進にも繋がりますし、いきなりトレーニングを始めることのないように注意してください。筋力トレーニングの後は、クールダウンの目的があり静的ストレッチとして鍛えた部位を中心にほぐすようにします。安全なトレーニングのためには、事前の準備やケアの時間を十分にとるようにしましょう。

トレーニングメニューを1週間単位で組んでおく

筋力トレーニングを行うのは、週2日以上が理想だと言われています。そのため、習慣化させ無理なく続けていくためにもトレーニングする曜日やメニューを決めておくのがおすすめです。また、できるだけ週2日以上の休息日を設けるようにして、無理なトレーニングにならないように注意してください。1週間単位でトレーニングメニューを組んでおくことで、スケジュールが組みやすくなります。

まとめ

筋力トレーニングは、基礎代謝をあげ生活の質やメンタルの安定などさまざまな効果が期待できます。ただ、人によって筋力トレーニングを行う目的も違いますし、内容や重量、回数や頻度も変わってきます。自分にはどんな筋力トレーニングが必要なのかを見極めたうえで、継続していくことが大切です。

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