インターバルトレーニングといえば、ランナーのトレーニング方法として認知している人も多いのではないでしょうか。確かにアスリートでも多く行われている方法ですが、さまざまな効果が期待できることでも知られています。トレーニング初心者にとってもたくさんのメリットがある運動法でもあるからこそ、自分にあったインターバルトレーニングの方法を探すことが大切です。しっかりとプランニングすることや、行うときにポイントを押さえるようにしていきましょう。

インターバルトレーニングとは?

インターバルトレーニングとは、強度の高い運動+休息を交互に繰り返しながら行う方法です。例えば、急いで走ったあとに、緩やかに走ることを何度も繰り返します。ちなみに、インターバル走という言葉を聞いたこともあるのではないでしょうか。実はほぼ同じものになり、単なる呼び名の違いでしかありません。

また、インターバルトレーニングとHIITの違いがわかりにくい人もいるかもしれません。HIITの大きな違いといえば「強度」になり、インターバルトレーニングよりもより高い負荷をかけた運動と低負荷の運動を交互に行っていきます。実際に行うメニューの違いもあるなど、似ているようで違います。

プロのアスリート・スポーツ選手などはトラックを使い、インターバルトレーニングを行っています。
必ずしもトラックがないとできないわけではありませんが、距離が明確でありタイムの管理がしやすいと好調を持っているためです。

ただし、必ずしも必要なわけではないので、距離や時間を計測するためのランニングマシーンを使ってもインターバルトレーニングを行うことができます。ただし、インターバルトレーニングは体に負荷をかける方法になるため、故障のリスクも考えると回数を加減することも大切です。

インターバルトレーニングの効果

インターバルトレーニングを行うことで、期待できる6つの効果について説明します。

Vo2MAXの向上

Vo2MAXとは「最大酸素摂取量」を数値化したものです。持久系の能力に必要なものとしても知られており、Vo2MAXを高めることで持久力のアップに繋がるといわれています。1分間の間にどれだけ酸素を取り込むことができるかどうかの指標になっているもので、1分間に体重1㎏あたりどれだけ酸素を摂取できるかどうかです。酸素は呼吸によって大気から取り込みますが、血液に拡散され心臓を始めとした循環器によって血液を伝い利用されていきます。より高い酸素を取り込むためには、何度も繰り返し活用し続ける必要があります。酸素を摂取し運搬、活用するサイクルが回らないとVo2MAXを高めることはできません。

ランニングスピードの向上

インターバルトレーニングを行うことで、体に高い負荷がかかるため脚力の向上に繋がるといわれています。全力で走る、ジョギングすることでスピードアップにも繋がると考えられているためです。持久走や短距離はもちろん、タイムを縮めたい人にも向いているトレーニング方法といえるでしょう。 最大スピードを強化したいと考えている人は、インターバルトレーニングを行うことでスピードを向上させる効果も期待できるようになります。

心肺機能の強化

人間の体は体内に取り入れた酸素がそのまま肺に送りこまれています。その後、心臓のポンプ機能によって血液とともに全身を巡る流れになります。心肺機能が低いままだと循環がうまくできなくなってしまい、疲労感を溜めやすくなってしまうこともあります。走るペースを上げても効率的に酸素を巡らせられるようにしなくてはいけません。インターバルトレーニングで適度な負荷をかけ、心肺機能を強化することにも繋がるといわれています。

乳酸活用能力の向上

高負荷の運動を行うと、乳酸が生み出されるようになります。疲労物質として認識されている人も多いのではないでしょうか。実は運動をしたときの乳酸は、エネルギーとして再利用できることでも知られています。乳酸をエネルギーとして積極的に活用できるようになれば、長距離を走っていても疲れにくくなりますし一定以上のペースが維持できるようになります。インターバルトレーニングは、乳酸を再生するための能力を高める効果が期待できます。

筋力の向上

インターバルトレーニングは速筋を鍛えるのに効果的な方法としても知られています。強度の高い運動で速筋を鍛えることで、瞬発力を高めることにも繋がります。また、体内にミトコンドリアを発生させることにも繋がり、筋肉を発達させ活動を維持するためにも欠かせません。筋肉の力をより長期間維持するためにも、持久力を高めるためのインターバルトレーニングが必要です。持久力のアップに繋がる方法です。

減量のサポート

インターバルトレーニングで高強度と低強度のトレーニングを交互に行うと、エネルギー消費効率が向上します。体の代謝が活性化されることにより効果的な減量に繋げることにも繋がります。また、トレーニングをしたあとに24時間~72時間は筋肉が脂肪や炭水化物を分解してしまいます。そのため、アフターバーン効果が発生しやすくなるといわれています。強度の高さで知られているインターバルトレーニングは、アフターバーン効果の持続時間も大きくなるため、減量のサポートにも繋がると考えられています。

【初心者必見】インターバルトレーニングの主な3つのメニュー

インターバルトレーニングは、さまざまな距離で行う方法があります。距離によって3種類のトレーニングメニューに分類されるため、それぞれの違いを理解したうえでトレーニングを行うのをおすすめします。

ショートインターバル

ショートインターバルとは、200m~600m以下を目安で行うトレーニング方法です。30~60秒程度のレスト時間を組み合わせて行うものです。短距離とレストを繰り返しながら、持久力をアップさせるために行います。また、中距離選手が取り入れている方法でもあり、疲れにくい体づくりにも欠かせないやり方です。おすすめの距離はダッシュで200m~300m前後、レストで100m~200m程度を何度も繰り返して行う方法です。初心者のうちは10セットを目標にしつつ、慣れてきたら20セットを行います。疲労度もそこまで高いものではないので、初心者でも取り組みやすい方法と言えると思います。また、大きく力強いランニングフォームを手に入れたい人にも使いやすい方法です。

ミドルインターバル

ミドルインターバルは、800m~1,000mの長距離を走ります。走るスピードを高めたい人や疲労回復機能を高めたい人向けのトレーニング方法としても知られています。最初からペースを早くしてしまうと思うような走りが出来なくなってしまうので、できるだけペース配分に注意しながら続けるようにしましょう。

ショートインターバルと比べると走る時間や距離が長くなるため、心拍数も高い状態になります。早いペースを維持するための力も欠かせません。ミドルインターバルはmVo2MAXを高めたい人にもよく使われている方法になり、乳酸の再利用の向上にも繋がります。やや遅めの時間に設定にしたうえで、5セット以上ができるように続けていくのもポイントになります。

ロングインターバル

ロングインターバルは、1,600m~2,000mの長距離を走るものです。より本格的なレースのためにスピードを向上させたり、持久力を高めたい人が使うトレーニング方法といえます。ショートインターバルやミドルインターバルも比べると、走る距離や時間が増えるためマラソン向けのトレーニングです。

ショートインターバルや、ミドルインターバルに比べて、より負荷が高い運動方法になるため、ある程度慣れている人でないと続けるのは難しいと思います。そのため、段階的に進めるようにするのをおすすめします。ダッシュの段階ではマラソンよりも少し遅めのスピード設定にして始めるようにしていきましょう。

筋力の向上効果も期待できるトレーニングになり、ロングインターバルに慣れてきたら変則インターバルに挑戦してみてください。

【3STEP】インターバルトレーニングにおけるプランの立て方

インターバルトレーニングの効果を最大化させるためにも、あらかじめトレーニングプランをしっかりと立てることが大切です。具体的にどのようなプランを立てるべきかポイントを紹介したいと思います。

STEP1:距離の決定

インターバルトレーニングを行ううえで、まず考えるのはどの能力を強化・向上させたいかです。例えば、減量したい、運動不足の解消が目的なのであればショートインターバルやミドルインターバルがおすすめです。持久力や筋力の向上が目的なのであれば、ミドルインターバルやロングインターバルが向いています。
まずは目的を明確にしたうえで、どの距離が適しているのかを考えるようにしましょう。距離の段階でまずは具体的なイメージが出来ていないと、プランの立て方は正解しません。

STEP2:ペースの設定

目的を決めたあとはペースの設定を行います。距離を決定した後に適切なペースを決めていきます。基本的には距離が短いショート~ミドルの場合は速めのペースを意識するようにします。走る距離の長いミドル~ロングの場合は、ペースを速くすると続かないので抑えめのペースを設定するようにします。インターバルトレーニング初心者の場合は、最初からペースを速くしてしまうと思うような効果が出ないのもあり、控えめのペースにしておいて、慣れてからペースを上げて攻めていくのも一つのポイントです。

STEP3:セット数とレスト時間の決定

ここまでの設定ができたら、セット数とレスト時間についても考えていきます。セット数もレスト時間も無理のない範囲でプランを立てるのをおすすめします。どちらから考えてもいいものの、セット数から考えたほうがイメージしやすくなります。セット数は疲労が蓄積し過ぎないように意識しながら、全力で走れる距離よりも短めに設定しておくのをおすすめします。適度なレストをとってもトレーニング効果は十分に得られますので、心拍管理を行いつつ行うようにしてください。

インターバルトレーニングを行う際のポイント

最後に、インターバルトレーニングを行うときのポイントを4つ紹介します。

週1~3回を目安に行う

インターバルトレーニングは、負荷が高い練習方法になるため毎日行うのはケガのリスクを高めてしまいます。初心者のうちは週1回程度で無理なく継続するのをおすすめします。多くても中2日は空けるようにして、週2回程度までに留めておくのをおすすめします。やりすぎるとケガに繋がるおそれも考えられるため、無理のないペースで行うことを第一で考えるようにしてください。慣れてきたら週2回〜3回でもいいものの、呼吸が乱れるほどのハイペースでのインターバルは避けるようにしましょう。

トレーニング前にはウォーミングアップを行う

インターバルトレーニングを行う前には、必ずウォーミングアップを行うようにしましょう。通常のジョギングよりもケガをするリスクが高くなるため、いきなりトレーニングを始めるのは危険です。体をほぐして軽く温めるようにしてからトレーニングを行うようにしてください。トレーニングのあとはクールダウンして、しっかりと体をケアするようにしてください。

心拍管理を行う

トレーニングを行うときに心拍管理を行うことも重要です。この部分がきちんとできていないと、効率の悪いトレーニングになってしまう可能性が考えられます。さまざまなトレーニングにおいて心拍管理が重要だからこそ、体にかかる負荷を定量化することにも繋がります。最大心拍数の求め方のポイントとして、220-年齢=最大心拍数で計算し数値を出し計算します。

レストの取り方を工夫する

インターバルトレーニングのレストには3つの取り方があります。ゆっくりとジョギングする、ウォーキング、その場で休憩があり、基本的に初心者の場合はその場をおすすめします。しっかりとレストで回復する時間を作ることで質の高いインターバルトレーニングを行うことにも繋がります。回復の時間を十分にとったとからといってトレーニングに影響する心配もありません。

まとめ

インターバルトレーニングは、Vo2MAXや心肺機能を高め走るスピードを速くするためにも欠かせないトレーニングです。トレーニングを行う頻度や、事前のウォーミングアップ、レストの取り方などのポイントをしっかりと押さえたうえでトレーニングを行うようにしてください。インターバルトレーニングについて詳しく知りたい人は、パーソナルジムを使うのもおすすめです。