スポーツジムなどで見かけるメディシンボールを使ったトレーニング方法について、興味を持っている方もいるのではないでしょうか。別名「ウェイトボール」と呼ばれているものになり、筋トレやエクササイズでも使われています。
そもそも、メディシンボールを使ってどのようにトレーニングをしたらいいのか?やり方や注意点についてもっと知りたいと考えている人もいるでしょう。メディシンボールトレーニングとは何か?わかりやすく解説していきたいと思います。
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メディシンボールトレーニングとは?
メディシンボールトレーニングとは、その名前からもわかるようにメディシンボールを使ったトレーニングのことをいいます。「medicine(メディシン)」=「医学」の意味を持っています。メディシンボールとは、バスケットボール程度の大きさがありボールの形をしていますが、ダンベルのように重量感のあるボールになり、ケガのリハビリなどで使用されているものです。現在は野球や球技などのスポーツでトレーニングとして取り入れられています。
メディシンボール1つあれば、幅広いトレーニングに使用することも可能です。初心者向けの基礎的なトレーニングはもちろん、競技者向けのトレーニングなど幅広く行うことができます。
また、全身運動やダイエット、競技に必要な筋肉を鍛えられる方法としても知られています。
目的に応じた筋肉を作れることもあり、幅広く活用できます。
体中のさまざまな筋肉を効率的に鍛えられるトレーニングとしてもおすすめです。
メディシンボールトレーニングのメリット
メディシンボールトレーニングを行うメリットについて詳しく見ていきましょう。
手軽に行える
メディシンボールはボール一つでトレーニングができるため、手軽に始められるメリットがあります。重量こそあるものの、一般的なダンベルよりも扱いやすく初心者にも向いています。誰もが習得している動作の「投げる」を使ったトレーニングになるため、楽しみながら続けられるのもポイントです。運動不足の人や筋力のない人でも気軽に始めやすく、続けやすい点も大きなメリットと言えるでしょう。投げるという動作が刺激になるため、トレーニング効果も出しやすくなります。
体幹を刺激できる
メディシンボールトレーニングは、全身を上手く使って動作を行う協調性を高めるトレーニングとして用いられることも少なくありません。一般的な筋トレとは違い、目的の筋肉を鍛えるだけのものではありません。体の中心にある体幹の部分に負荷をかけることより、効率的なトレーニングを行うことにも繋がります。実践的なトレーニングを行えることもあり、実際にプロのアスリートがメディシンボールを使ったトレーニングを行う理由の一つといえます。
瞬発力を鍛えられる
メディシンボールトレーニングは、ウエイトトレーニングと比較しても競技に近い動作を鍛えられる方法です。下半身や耐寒、上半身などの力を連動させながらボールを投げることに繋がります。全身の筋肉に刺激を入れつつ行える点も、競技に近い方法といわれている理由です。また、投げる力は瞬間的な力を発揮することによって行うものです。スローイングのトレーニングは瞬発力を高め、爆発的なパワーを発揮できるようになりたい人にも向いています。
メディシンボールを使ったトレーニング(エクササイズ)5選
メディシンボールを使ってできる初心者から上級者向けのトレーニング(エクササイズ)を紹介します。
ロシアンツイスト
ロシアンツイストは初心者向けのトレーニングです。体にひねりを加えながら腹筋二刺激を与え、腹部などの体幹を鍛える方法になります。負荷のかけ方次第でさまざまな人が取り入れられる方法です。
- 床に座った状態で胸の前でメディシンボールを持ち、膝を90度に曲げます
- 上体をやや後ろにして腹筋に力を入れます
- そのままリズムより上体をひねっていきます
最初は10回を1セットとして行い、様子を見つつ回数を増やしていきます。呼吸も1回の動きごとに調整するようにしつつ行うのもポイントです。胸につけたままの状態だと腰痛対策にも繋がります。
V字シットアップ
V字シットアップは初心者向けのトレーニングです。腹筋を鍛えるトレーニング方法になり、やや難易度は高いので初心者には向きません。メディシンボールを使わずに行うこともできますが、より強度を高めたい人は、メディシンボールを使ってトレーニングを行うようにしていきましょう。
- 仰向けになって寝転がり膝を伸ばし、足首を90度に曲げていきます
- メディシンボールを持ったまま両手を頭上に伸ばし、Vの形になるように意識します
- 両方の手と足を同時に持ち上げて、脚につけるような意識で行うようにしましょう
脚を上げたときに無理にメディシンボールに触れる必要はありません。
反動をかけるとケガの原因になってしまうため注意するようにしてください。
スクワットスイング
スクワットスイングは初心者向けのトレーニングです。
スクワットの動きにメディシンボールを合わせたものになり、全身を効率的に鍛えることにも繋がります。
- 両手でメディシンボールを持ちながら、脚を腰幅よりも広くして立ちます
- スクワットで身体をゆっくりと下ろしつつ、メディシンボールを後ろにスイングさせます
- 顔の前に持ち上げながら元の姿勢に戻ります
リズミカルにできるように意識しつつ、行うようにしてください。曲げるときに背中を丸めてしまうことのないように、お尻を落とすようにしつつ丁寧な動作を意識するようにしていきましょう。
ボールプッシュ
ボールプッシュは中級者向けのトレーニングです。胸や肩周辺を刺激するためのトレーニング方法になり、動きこそシンプルではありますが、何度も続けて行うとハードな運動なのを実感すると思います。ある程度トレーニングに慣れてきてから行うようにしてください。
- 両手でメディシンボールを持ち、肘を曲げて胸の前で維持します
- 肘を伸ばしつつ床と平行になるようにして身体から離していきます
- 肘を伸ばしきった状態で元の姿勢に戻ります
戻すときの動作でボールをつぶすようにしつつ、大胸筋を意識するのがポイントです。
ツイストランジ
ツイストランジは上級者向けのトレーニングです。上半身から下半身まで効率的に鍛えたいと考えている人におすすめです。体幹部はもちろん、メディシンボールの重さもありフォームを維持するのが難しく難易度が高いやり方です。こちらもある程度慣れてから行うのをおすすめします。
- 足をそろえて立ち、両手でメディシンボールを持ち顔の前でキープします
- 位置をずらさないようにしながら、片足を大きく前に出します
- 股関節と膝を90度に曲げて胴体にひねりを入れます
ひねりの動作が一連の流れになるように意識しておきましょう。
【項目別】メディシンボールの選び方
メディシンボールトレーニングのボールの選び方について詳しく説明します。
選ぶ時のポイントはメディシンボールの「タイプ」「重量」「サイズ」の3つのポイントです。
それぞれ、どのような点を意識して選べばいいのか詳しく見ていきましょう。
タイプ
メディシンボールには、大きく「ハードタイプ」と「ソフトタイプ」の2種類に分けられます。
ハードタイプは、ラバーにて覆われているものになり、素材は硬く中が空洞で弾みやすい特徴を持っています。バウンドさせて使うトレーニングを考えている人にもおすすめです。
ソフトタイプは、柔らかい素材を使ったメディシンボールになり、安定性があり弾むことはありません。特にペアトレーニング向きのメディシンボールと言えるでしょう。
用途に合わせてハードタイプかソフトタイプを選ぶようにしてください。
重量
メディシンボールは重量も、用途によって選ぶようにしましょう。
初心者のうちは1〜3kg程度のメディシンボールを選び、トレーニングに慣れてきたら5kg以上と徐々に負荷を大きくしていきます。
メディシンボールのものによっては、10kgのものもありますが、トレーニングに慣れている上級者向けです。
トレーニングの目的に応じて、適切な量を選び使うようにして行きましょう。
メディシンボールのトレーニングは、ウエイトトレーニングとはそもそもの動きも変わってくるため、動作の違いも含めて意識して行うようにしてください。
サイズ
メディシンボールは、サイズの選び方も重要になります。
しっかりと手に握れる大きさのものを選ぶようにしましょう。
どちらかと言うと、ハードタイプは小さなものが多く、ソフトタイプは大きめのものが多くみられます。
実際に行うトレーニング内容によってかわってきますが、片手で使うトレーニングを考えているのであれば、直径20cm未満のものを選ぶようにしてください。両手を使ったトレーニングは直径25㎝未満とやや大きめでも問題ありません。
サイズが大きすぎると、握れずに落としてしまう危険性があるので撰ぶ時のポイントとして覚えておきましょう。
メディシンボール重さ1kg・2kg・3kg向いているのはどんな人?
メディシンボールにはさまざまな重さのものがあります。
主流の大きさは1㎏~10㎏のものが主流ですが重すぎるメディシンボールはケガの原因となります。自分にあったメディシンボールを使うようにしましょう。
メディシンボール重さ1㎏が向いている人
メディシンボール1kgは、初心者や女性、高齢者におすすめです。また、小学生や中学生がトレーニングとして使いたいのであれば、1㎏程度の軽いものを選ぶようにしましょう。
他にもトレーニング前のストレッチとして使いたいと考えている人など、さまざまなトレーニングに活用できるので1つもっていると便利に使いこなせると思います。
メディシンボール重さ2㎏が向いている人
メディシンボール2kgは、1kgの負荷に慣れてきた人やもう少し負荷をかけてトレーニングを行いたいと考えている人にもおすすめです。男性のストレッチ用のメディシンボールとして選ぶのにも最適です。
メディシンボール重さ3㎏が向いている人
メディシンボール3kgは一般的なサイズになるため、ある程度トレーニングに慣れてきた女性や男性にもおすすめです。男性は3㎏~5㎏程度のメディシンボールを使用するのもあり、比較的軽いものから慣らしていき5㎏を目指すことも可能です。
メディシンボールトレーニングを行う際の注意点
最後に、メディシンボールトレーニングを行う際の注意点を3つ紹介します。
安全にトレーニングを続けていくためにも注意点は覚えておきましょう。
準備運動を入念に行っておく
メディシンボールを使ったトレーニングは負荷がかかりやすいのもあり、準備運動は欠かせません。トレーニング効果を高め、怪我を防止することにも繋がります。部分的な準備運動だけでなく、全身を使う準備運動でほぐしていくことが必要です。準備運動は1㎏程度の軽いメディシンボールを使って行う方法もあります。しっかりと体をほぐすことを意識することで、メディシンボールのトレーニングの動きをスムーズに行うことにも繋がります。
常に正しいフォームを心がける
メディシンボールを使ったトレーニングは、正しいフォームも意識するようにしましょう。メディシンボールの扱いに慣れていないと、フォームが崩れやすく安定しなくなってしまいます。間違えたフォームのままでトレーニングをしてしまうと、関節に大きな負荷がかかるようになりケガの原因になってしまいます。
ねらっている筋肉に効果的に効かなくなってしまうなど、せっかくのトレーニング効果を得られません。特にメディシンボールのトレーニング初心者の場合、正しいフォームかどうか判断できなくなってしまいます。プロのトレーナーの指導を受けるなど、対策をしておきましょう。
周囲の安全を確保する
メディシンボールは重量があるため、取り扱いに注意しなくてはいけません。トレーニング中にうっかり落としてしまった際は、床や家具を傷つけてしまう可能性があります。集合住宅など大きな音が出てしまうと、騒音の問題も出てくるでしょう。
自宅でメディシンボールのトレーニングを行う際は、周囲に壊れやすいものがないかを確認しましょう。必要に応じてマットを敷くなどの対策をするのをおすすめします。また、狭いスペースだと、思わぬ事故に繋がることもあるため、十分なスペースを確保するようにしていきましょう。もし、自宅に十分なスペースがとれないときは、ジムに通って行うのもおすすめします。
まとめ
メディシンボールは「投げる」という誰でも行える動きになるためダンベルよりも簡単に使えて、重量を調整することで、初心者でも簡単に始められます。比較的負荷も少なく自宅でもできるトレーニング方法としてもおすすめです。
ただし、自宅で行うときは騒音やスペースも含め問題なくトレーニングができるかどうかを確認しましょう。メディシンボールの形状やサイズ、重さも含め、自分にあったトレーニングかどうか、目的も含めて選ぶことが大切です。