トレーニングにもさまざまな種類がありますが「ケトルベルトレーニング」が気になっている人もいるのではないでしょうか。体幹を鍛えつつ、体脂肪やダイエットに良いと聞き、トレーニングに取り入れたいと考えている人もいるでしょう。
ケトルベルトレーニングは、有酸素運動でもあり効率的に行う全身運動としても知られています。具体的なトレーニング方法や、おすすめの使い方についても詳しく解説します。ケトルベルトレーニングを取り入れたいと考えている人は、参考にしてみてください。
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ケトルベルトレーニングとは?
ケトルベルトレーニングとは、ケトルベルを使用したトレーニングのことを言います。
鉄製の球体にハンドルがついているトレーニング器具になり、形状がやかん(ケトル)に似ていることからつけられた名前としても知られています。ケトルベルは、重心とグリップの位置が大きく離れていることもあり振り子のような動きを可能としています。
そのため、動作にスピード感や遠心力もかかりやすくなり、腕や他の筋肉を同時に鍛えることも可能です。1つの動作のなかに全身である「5つの基本機能」を同時に使用出来るため、深部にある小さな筋肉までも複合的に働くと考えられています。
活性化される筋肉の量の多さもあり、カロリー消費も効果的で心拍数をあげやすいことでも知られています。
ケトルベルは特有の動きも多いので、初心者のうちは基本的な動きから学ぶのをおすすめします。
トレーニングの段階に合わせて調整できるので、慣れてきた人やもっと負荷をかけたい人はハイレベルなケトルベルトレーニングに挑戦することも可能です。
ケトルベルトレーニングで期待できる効果
ケトルベルトレーニングを行うことで、具体的にどのような効果が期待できるか見ていきましょう。
筋力と持久力の向上
1つの器具で全身のあらゆる筋肉を鍛えられるのがケトルベルトレーニングでもあります。
例えば、ハムストリングスや大殿四頭筋、三角筋や僧帽筋などを同時に鍛えられトレーニングの効率を高めてくれます。大きな器具を使って行うトレーニングではないので、自宅でも取り入れやすいのが特徴です。
また、股関節の伸展も伴う為、無酸素運動でもあり有酸素運動の要素も持っています。全身運動を通して持久力を高めたいと考えている人にとっても、さまざまな効果が期待できます。
アスリートなど瞬発力や持久力の両方を必要とする競技を行っている人にも適しています。
体幹の強化
ケトルベルトレーニングは体幹の強化も期待できます。
全身を効率的に使うことで体幹が鍛えられ、姿勢改善や腰痛・けが防止、トレーニング効果の最大化に繋がりやすくなります。
姿勢を維持するにも筋肉が必要になるため、腹筋や脇腹などの筋肉を無駄なく鍛えることにも繋がります。似ているトレーニングにダンベルがありますが、あくまでも腕のみと限られてしまうため、全身同時に鍛えられるトレーニングが大きいのがわかると思います。
体脂肪の減少・ダイエット
ケトルベルトレーニングは、有酸素運動の要素も含む全身運動です。
有酸素運動は酸素を取り込みつつ、比較的長時間かけて行う運動方法のことをいいます。例えば、ジョギングやサイクリング、ウォーキングなどと同じ効果が期待でき、筋肉への負荷を減らしつつ体脂肪の減少やダイエット効果が期待できます。
有酸素運動を効率的に行う為には、20分~30分程度行う必要があり、継続的に続けることが大切です。
初心者でもできる!ケトルベルトレーニング・使い方のおすすめ8選
ケトルベルトレーニングにはさまざまな種類があります。
そのため、どのトレーニングを行うべきか迷っている人もいるのではないでしょうか。
中でも代表的なトレーニングメニューについて詳しく紹介します。
ケトルベルスイング|全身に効く
ケトルベルスイングは、両手で器具を持って一定の間隔にて行うトレーニング方法です。
主にハムストリングス、腹筋、体幹、背筋などの幅広い筋肉を効果的に鍛えられます。身体を軸にした状態で行うトレーニングになるため、一人でも挑戦しやすく転倒などのケガのリスクが少ないことでも知られています。遠心力を使い軽いケトルベルでも十分なトレーニング効果が期待できます。
- ケトルベルを床に、後ろに一歩下がります
- 肩幅よりも脚を広げ、背筋を伸ばしお尻を引きつつ上半身を前に倒します
- 両手でケトルベルを持ち、脚の間にぶら下げます
- 上半身を起こしつつ、息を吐きケトルベルを肩の高さに持ち上げます
- 息を吸いつつ、もとの状態に戻ります
ケトルベルフロー|全身に効く
短時間で確かな効果を実感できるトレーニングを希望しているのであれば、ケトルベルフローがおすすめです。2つ以上のトレーニングを途切れさせることなく行うものになり、ウエイトを降ろさずに進めていきます。
そのため、心拍数を高めやすく、適度に筋肉の負荷をかけることにも繋がります。短期間でより効果的なトレーニングを取り入れたいと考えている人にも、取り組みやすいと言えるでしょう。
- 脚を肩幅に開いて、両脚の間にケトルベルを置きます
- 膝を曲げつつ両手でケトルベルをつかみ素早く立ち上がります
- お尻と両脚の筋肉を使い、胸の部分にまで引き上げます
- 胸の前で位置を維持したまま膝を曲げ腰を下げ、スクワットの状態になります
- 胸の前で維持しつつ立ち床におき、ケトルベルを逆さに持ちスクワットを繰り返します
- 再度足りあがりケトルベルを頭の上に持ち、肘を伸ばして胸の高さに戻ります
デッドクリーン|全身に効く
ケトルベルを使ったデッドクリーンとは、主に上腕二頭筋や脚、体幹を鍛えるトレーニングの入門編的な役割を持っています。両手でケトルベルを抑えるためのポイントを学ぶやり方でもあり、全身を効率的に鍛えられる方法としても知られています。
股関節の動作を使いケトルベルを跳ね上げるように持ち上げて、3点の中心部にラックするやり方です。
- 脚を肩幅に開いて、両脚の間にケトルベルを置きます
- 両手でハンドル部分を握り、そのまま一気に立ち上がります
- 力を利用しつつケトルベルを身体に近づけ、肩の高さまで持ち上げます
- 持ち上げるときのポイントとして、上部を持ちつつ、掴むようにして取ってのグリップをずらします
スナッチ|全身に効く
ケトルベルのスナッチは、股関節の動作を使って行うトレーニング方法です。
数あるトレーニングのなかでも難易度が高いものとして知られており、ある程度慣れてきた上級者におすすめです。片腕ずつの動作になるため、バランス感覚も必要になりますし、肩周りや背筋の柔軟性を高める方法としても知られています。
瞬発力を高めたい人やアスリート向けのトレーニングとも言えるでしょう。
キャッチしたときに肘をしっかりと伸ばすのを忘れずに行うようにしてください。
- 片手でケトルベルを持って、胸の高さまで振り上げていきます
- 肘を軽く曲げつつケトルベルを身体に引き寄せていきます
- 頭上でケトルベルをキャッチして脚を開きつつ振り下ろします
- 以上の動作を10回程度行うようにします
スラスター|全身に効く
スラスターは、全身の筋肉を一度に鍛えられる方法です。
ゴブレットスクワットを行うことで、大殿四頭筋やハムストリングスなどを鍛える効果も期待できます。また、ショルダープレスの動きもあるので、上腕三頭筋や三角筋にも効果がありますし、腹直筋や脊柱起立筋を鍛えるのにもおすすめです。
上半身と下半身の両方を使って行うトレーニングになるので、すき間時間を上手に活用できるのも魅力です。
- 脚を肩幅に開き、腕の前で保持し腰を降ろしていきます
- 太ももが床と平行になるまで降ろし、踵が浮かないようにします
- かかとを重心にして反動をつけずに立ち上がります
ショルダープレスは同じ姿勢のままで、前傾にならないように注意しつつ行います。
両手で取っ手部分を持ち、真っ直ぐ上げて、肘をロックさせます。
ゆっくりともとの位置に戻すを何度も繰り返します。
ケトルベルマーチ|体幹の筋肉に効く
ケトルベルマーチは、腹直筋を鍛えたい人や体幹を強化したい人向けのトレーニングです。
脚を動かす動作を行う為、ケトルベルを落とさないようにしっかりと支える必要もあります。また、ピンと身体を張った状態でないとできない動きになるため、体幹に新しい刺激を与えたいと考えている人にとっても嬉しいトレーニング方法と言えるでしょう。
- 胸の前でケトルベルを持ちます
- 肩甲骨と腹筋に力をいれます
- 体幹をピンと張ります
- その場で脚を片方ずつ上げていきます
脚を上げる時は、慌てずにゆっくりと筋肉の動きを意識しつつ行うのをおすすめします。
反動をつけるのではなく、丁寧な動きで行うのもポイントです。
ワンハンドロウ|上半身に効く
ワンハンドロウはケトルベルを使って行う背中の基本的なトレーニングです。
主に、背中にある僧帽筋や広背筋を鍛えて、厚みのある背中を作りたい人にもおすすめです。女性の場合は背中を引き締めたいときや、男性の場合は逆三角形の体型を目指したいときにワンハンドロウのトレーニングを行います。
胴体を旋回させてしまうとケガの原因となるので気を付けましょう。
- 壁や椅子に手をつき、反対でケトルベルを持ちます
- 腰を真っ直ぐ伸ばした状態で前かがみになります
- みぞおちを意識しつつケトルベルを引き上げていきます
以上の動作を10回程度行うようにしてください。
ゴブレットスクワット|下半身に効く
ゴブレットスクワットは下半身に効果的なトレーニングとして知られています。
ケトルベルを使うことで、重心が前に行きにくくなるので、背中が丸くなったままトレーニングを行うこともなくなります。そのため腰痛の心配がある人にとっても、取り組みやすいスクワットです。
深くしっかりとしゃがみこんだ状態で行うことで、ヒップアップ効果も期待できます。
- まずはケトルベルを両手で胸の前に持ちます
- 肩幅よりも広めに脚を開きつま先を外に向けます
- かかとを重心に乗せた状態でお尻を後ろに突き出します
- 股関節を使いつつ立ち上がるようにします
以上の動作をゆっくりと行うようにしてください。
ケトルベルトレーニングを行う際のポイント
最後に、ケトルベルトレーニングを行ううえでのポイントを紹介します。
初心者の場合は低重量からスタートする
ケトルベルトレーニングは、重量の調整ができません。
そのため、低重量からスタートし、様子を見つつ負荷を高めていくのをおすすめします。
女性であれば6kg程度の重量からスタートし、男性であれば8kg程度から始めるようにします。
ケトルベルトレーニングは、低重量で自分のトレーニング歴に合わせたものを選ぶようにしていくことが大切です。重すぎても怪我の原因になりますし、軽すぎても負荷がかかりにくくなってしまい、思うような効果が出なくなってしまうので気をつけましょう。
ケトルベルの重量選択と初心者へのおすすめ
ケトルベルは、比較的重量のないものであれば4㎏からあります。
また、トレーニング上級者向けだと30kg以上のものもあるなど重量にも大きな差があります。初心者の男性の場合は8〜12㎏程度が、女性なら4〜8㎏程度のケトルベルをおすすめします。
可変式ケトルベルは、プレートを組み替えることで重量が調整できます。
そのため、重さを変えたい人は、可変式ケトルベルを選ぶのをおすすめします。
正しいフォームを意識する
ケトルベルは、正しいフォームを意識することが大切です。
振り子の動きを意識したトレーニングになるため、反動によって大きな重量がかかってしまいます。ダンベルよりも体が前後に引っ張られてしまうので、フォームが崩れないように意識することが大切です。
体幹を意識しつつトレーニングを行い、カロリー消費や心拍数を高めていくようにしてください。
まとめ
ケトルベルトレーニングは、自分にあった重量のケトルベルを使い、正しいフォームで行うことが大切です。トレーニングの方法にもいろいろな種類があるため、トレーニングのレベルに合わせて選ぶようにしていきましょう。
持久力や筋力、体幹を鍛えてダイエット効果も期待できるトレーニング方法としておすすめです。
ケトルベルトレーニングで全身を効率的に鍛えるようにしていきましょう。