ダイエットや体力向上のためにHIITトレーニングという方法を聞き、気になっている人もいるのではないでしょうか。数分のなかで複数の筋力トレーニングとインターバルを繰り返す方法でもあり、短期集中でのトレーニングにも向いています。HIITトレーニングを取り入れる方法や、効果を高めるためのポイントなど詳しく解説していきます。確実に効果を得るためにも、正しいHIITトレーニングのやり方を覚えておく必要があるからこそ、詳しくご紹介していきたいと思います。
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HIITトレーニングとは?
HIIT(ヒート/ヒット)トレーニングとは、高強度インターバルトレーニングの略称でもあります。高負荷の運動と低負荷の運動を繰り返して行う、シンプルなトレーニング方法としても知られています。心肺機能を高めて、代謝アップに繋げ体を追い込むことによって、痩せやすくする働きも期待できます。運動の種類や強度を自由に調整できることもあり、自分にあったトレーニング方法が探せるのも特徴と言えます。忙しい人でも無理なく続けやすいトレーニング方法です。
HIITトレーニングとサーキットトレーニングの違い
HIITトレーニングとサーキットトレーニングは、いずれも短時間で続けられるトレーニング方法としても知られています。一見似ているように見えますが、運動の進め方や強度で違いが大きいのがわかります。
HIITトレーニングは、高負荷と低負荷を繰り返すトレーニングですが、サーキットトレーニングは、複数の運動を順番に行い適度な休憩をはさみつつ、ラウンドを重ねる方法です。
また、HIITトレーニングは、瘦せやすい体作りや運動後のアフターバーンを目的としていますが、サーキットトレーニングは、持久力や筋力向上、全身を効率的に鍛える目的があります。
通常のHIITと高負荷HIITに違いはある?
HIITトレーニング二は種類があり、一般的なやり方は高負荷の運動と10秒の運動を繰り返していきます。高負荷HIITになると、長めのインターバル+休憩をはさんだり、短めの30秒程度の運動に15秒の休憩を繰り返していく方法もあります。また、全力のスプリントで行うスプリントインターバルなど、時間配分や強度によってもHIITが変わってきます。
HIITトレーニングで期待できる効果・メリット3選
HIITトレーニングは、さまざまな効果が期待でき、メリットが多いことでも知られています。
具体的にどのようなメリットが期待できるのか、詳しく見ていきましょう。
心肺機能の強化
HIITトレーニングは、心肺機能の強化が期待できるといわれており、体力や持久力の向上効果が期待できます。短時間でハードなトレーニングを繰り返すからこそ、運動をしているときに多くの酵素が欠かせません。肺にたくさんの酵素を取り込み、活性化にもつなげてくれます。
血液を通して全身に酸素を届けるため、心臓の働きが活性化されると考えられています。心肺機能を高めることで、高い持久力を手に入れ、疲れにくい体を手に入れることにも繋がります。
基礎代謝の向上
高負荷な運動を行うHIITトレーニングは、基礎代謝を高めて痩せやすい体づくりが期待できるようになります。トレーニングをしていると、一時的に酸素が不足して酸欠状態になります。トレーニングのあとにたくさんの酸素を取り込み呼吸を行うため、基礎代謝の向上が期待できるようになります。HIITトレーニングは、筋トレのような無酸素運動になるためエネルギー不足による筋肉の分解の心配もありません。筋力量を増やして、基礎代謝の向上効果も得られるようになるのです。
特定疾患・症状の緩和
HIITトレーニングは、特定の疾患や症状の緩和に有効であると考えられています。主に、腰痛の痛みの緩和や、2型糖尿病患者の血糖値のメンテナンスや体重の減少効果も期待できるといわれています。また、呼吸機能が低下する慢性閉塞性肺疾患への軽減が見られたなどの報告もあるように、特定疾患・症状を緩和する効果も期待できると考えられています。
HIITトレーニングがおすすめの人
HIITトレーニングには向き不向きがあります。
具体的にどのような人にHIITトレーニングがおすすめなのか紹介します。
短時間で高い運動効果を得たい人
HIITトレーニングは、短時間で高い運動効果を得たい人に向いています。
忙しい人や運動時間を確保できない人にとっても、無理なくトレーニングできるからこそおすすめです。もともと運動不足の人や、ちょっとだけ引き締めたい人にとっても、高いパフォーマンス効果が期待できます。HIITトレーニングは毎日やらなければいけないわけではなく、初心者であれば週2回から3回程度の頻度からスタートでき、ライフスタイルのなかに無理なく取り入れやすいのも特徴です。
筋肉量を維持しながら体脂肪を落としたい人
HIITトレーニングは筋トレ要素も含んだ方法です。
筋肉を維持しつつも、脂肪を減らしたい人にも向いています。そのため運動はしたいと思っているものの、筋肉量を維持しつつ体脂肪を落としたい人にもおすすめです。また、筋肉を成長させるためにも、トレーニングとしっかりと体を休ませることも重要になってきます。
そのため、トレーニングに慣れてきたとしても休息日を必ず設けるようにしてください。回数を増やしたとしても、週3日~4日程度までがHIITトレーニングの回数だと認識しておきましょう。
【プログラム別】HIITトレーニングの基本的なやり方
HIITトレーニングと一口に言ってもプログラムはいくつかの種類に分類されます。
具体的にどのようなやり方なのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。
タバタ式トレーニング(HIITトレーニング初心者におすすめ)
タバタ式トレーニングは、HIITトレーニングのなかでも最も人気の高いプログラムです。
トレーニング初心者でも取り組みやすい方法として知られています。具体的には、20秒で高負荷な運動をしたあとに、10秒の休息を取り入れる方法を8セット繰り返していきます。細かい頻度で区切られていることや、休憩までの時間が短いのもあり、運動が苦手な人でも取り組みやすい方法として知られています。ただし、休憩の時間も短くなるため、十分に休憩を取りたい人には向きません。
AMRAP
AMRAP(as many reps as possibleは、決められた時間内で1つの運動をできる限り多く繰り返して行う方法のことをいいます。
高負荷の運動を30秒や45秒と決めておき、休憩時間を15秒から30秒と設定します。時間との競争を意識しながら、自分を追い込むまでレベルアップして行うトレーニング方法です。タイマーを設定しておき、複数のエクササイズを選択します。
具体的には、腕立て伏せやスクワット、懸垂を各10回ずつ行い、時間内に可能な限り繰り返していきます。毎回、決められた時間のなかで特定のエクササイズを行う特徴があるため、パフォーマンスの向上を目に見てわかりやすいのも特徴です。
EMOM
EMOM(every minute on the minute)は、1分で区切るという意味があります。
事前に実施する回数を決めておき、1分を計りながらエクササイズを取り入れていきます。決められた回数が終わったあとは、残りの時間はすべて休憩時間となるため、早く終われば休憩時間も長くなります。次に1分が始まると、同じ動きを何度も繰り返していきます。
HIITに組み込めるおすすめのトレーニングメニュー
HIITトレーニングに組み込みやすい、おすすめのトレーニングメニューを3つ紹介します。
バービージャンプ
バービージャンプとは、HIITトレーニングのなかでもやや高い強度で行うやり方です。
全身運動でもあり、腕立て伏せとジャンプを組み合わせたものになり、心肺機能の向上効果が期待できます。ジャンプの高さをつけると、その分負荷がかかる割合が高まるため自分に適した強度で取り入れやすいのも特徴です。やり方はシンプルな方法ではあるため、難しくはありません。
(1) | 足を肩幅に開いて立ち、両手を少し広めに床につけます |
(2) | 両足を後ろにジャンプさせ腕立て伏せを1回行い、ジャンプさせるように両足をもとに戻します |
(3) | 立ち上がりながら、真上にジャンプして着地します |
最初から無理な回数を行うと負荷が大きくなるので注意するようにしてください。
マウンテンクライマー
マウンテンクライマーとは、無酸素運動だけでなく有酸素運動としての役割も担っています。
主に、腹直筋と腸腰筋の両方を鍛えられるトレーニングになり、初心者から上級者まで幅広い人に挑戦してもらえる方法でもあります。シンプルなやり方になるため、初めてでも無理なく覚えられると思います。正しいフォームを意識しつつ運動を取り入れていくのがポイントになります。
(1) | 床に四つん這いになり、足を伸ばして姿勢を維持します |
(2) | 頭から足を一直線にしたうえで、片足を曲げます |
(3) | 足を素早く入れ替えて連続で行います |
一直線の体制を意識するのはもちろん、呼吸を止めずに、腹筋に力を入れるようにしてください。呼吸を止めないように意識しつつ、トレーニングを行うのもポイントです。
膝つき腕立て伏せ
膝つき腕立て伏せとは、上半身を効率的に鍛えたい人に向いています。一般的な腕立て伏せよりも負荷が小さく、初心者向きの方法としても知られています。無理なく続けられる方法でもあり、肩甲骨周辺や大胸筋、体幹を鍛えたい人にもおすすめです。
(1) | うつぶせになって、肩の下に手を置き体を持ち上げ、膝を床につけ一直線のラインを作ります |
(2) | 息を吐き、肘を曲げながら床につかない程度に上半身を下げていきます |
(3) | 息を吸い、肘を伸ばし何度も繰り返していきます |
膝つき腕立て伏せは、背中を丸めない、反らないようにして一直線にまっすぐにした状態を維持できるようにするのもポイントです。シンプルな動きではありますが、正しいフォームを維持するのは難しいので、トレーニングとしてもおすすめです。
HIITトレーニングの効果を高めるためのポイント
最後に、HIITトレーニングの効果を高めるためのポイントを3つ紹介します。
「週2~3回」を目安に行う(毎日はおすすめしない)
HIITトレーニングは、高負荷な運動になるため週2~3回程度のペースで行うのがポイントです。
毎日行うと、超回復ができなくなってしまう可能性が考えられます。筋トレによって筋肉がダメージを受けたあと、急用で筋肉に栄養分を溜め込んでいきます。その後、同じトレーニングではダメージを受けにくい筋肉が育ち、さらに負荷を増やして休養し、筋肉に栄養を溜め込んでいきます。
初心者のうちは、週1回程度から始めるようにしつつ、身体の変化を見ながら回数を増やしていくようにしてください。最初から回数を増やしすぎてしまうと、けがの原因となるため注意してください。
「息切れを感じる強度」を維持する
HIITトレーニングの理想的な最大心拍数は60~80%です。トレーニングをしているときは、やや会話が難しい程度の息切れがする程度を意識して行うのがポイントです。
これ以上強度が高すぎたり、限界まで追い込んでしまうと、挫折の原因となってしまうことがあります。トレーニングは継続することが最も重要になるため、初めのうちはやや余裕を持った状態で行いつつ、徐々に強度を高められるようにしてください。
食事管理も徹底する
ダイエットや理想的な身体づくりを成功させるためには、運動と食事をセットで考える必要があります。単純にHIITトレーニングをするだけでは足りていないという認識を持つようにしましょう。どのような食事をとるべきか、食事の栄養バランスも含め管理をしっかりとしたいのであれば、パーソナルトレーニングを利用するのも1つの方法です。
まとめ
HIITトレーニングは、忙しく短時間しかトレーニングができない人にもおすすめです。場所を選ぶことなく、特別な道具がなくてもトレーニングができるのも魅力です。トレーニングそのものもシンプルですが、継続しつつ行うことも重要です。心身を強く持つためにも、HIITトレーニングを諦めずに続けるようにしていきましょう。また、初心者向けのメニューから始めるとより効果的なトレーニングに繋がりやすくなるため、おすすめです。